創業にあたって、資金は重要な要素です。
資金に不安がある場合、融資を受けることを検討しましょう。
無借金経営の割合は?
まず、日本の企業がどの程度融資を受けているのかを見てみましょう。
以下の図は、無借金企業の割合です。2017年のため少し前のデータですが、中小企業では34.2%が融資を受けないで経営しています。つまり65.8%は融資を受けているので、3社のうち2社は借り入れで資金調達を行っています。
中小企業白書 2019年度より引用
中小企業の倒産理由
倒産理由はどうなっているでしょうか。
2021年の原因別倒産状況で、件数は合計6,030件です。
- 1位:販売不振
営業が芳しくなく資金繰りが悪化し、倒産したケースです。 - 2位:既往のしわよせ
今までと同じことをしていれば利益が出ると考えて、数字を直視しなかったことによる良くない習慣のしわ寄せです。 - 3位:連鎖倒産
一か所しか取引先がない場合に、相手が倒産するのと同時にランニングコストを支払えなくなり倒産するケースが多いです。
融資というのは、企業の業績が悪くなってからでは難しいです。
販売不振 | 既往の しわよせ | 連鎖倒産 | 放漫経営 | 過少資本 | 設備投資 過大 | 信用性の 低下 | 売掛金 回収難 | 在庫状態 悪化 | その他 |
4,403件 | 674件 | 299件 | 284件 | 101件 | 34件 | 25件 | 18件 | 3件 | 189件 |
(中小企業庁HPより引用)
無借金経営は良いこと?
無借金経営を行う心がけは良いことだと思います。
ですが、手元資金がギリギリの状態で経営していて投資のチャンスがあったときに、翌月の取引相手からの入金を待っていてはハラハラして経営に集中できません。
筆者も税理士事務所開業前に資金を準備しておりましたが、融資を受けました。お陰で便利なソフトの購入や広告宣伝に投資ができたり、条件の良くない案件をお断りしたりする精神的な余裕を持つことができました。
余剰資金も運転資金のうち
大規模な投資がある場合を除き、毎月預金残高が増えていけば安心して経営ができるでしょう。
しかし、不測の事態はあるのもです。資金をダブつかせる必要はないですが、利息は事業継続のための保険料と考えればとても安いものです。
新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方には、無担保・無保証人でご利用いただける日本政策金融公庫の新創業融資制度がおススメです!